2006/02/05

《○ 1.準備》寒いのにあったかい。

「寒い事はいい事だ」


そんな事に何も言わずに顔を立てに振る人がどれだけいるだろうか。
研究職、芸術家、あるいは温泉場所〜。
いずれにせよ僕のような一般の人からみると
通常の生活をおくるに当たって非常に「脅威」で「痛い」と思ってしまう程の自然の力。


岩手県の盛岡は立春の昨日の最低気温が−13.8℃。
ここまでの寒さの脅威に慣れていない私にとっては
当然外に少しいるだけで、手が切れそうに痛い。


本日ちょっとした地域のイベントがあったため寒さにもめげず写真家でもある友人と出かけてきた。


それは「もりおか雪あかり」。地元盛岡で2005年から行われているという雪と光を取り入れたイベントで(右)、雪で作った高さ25cmくらいのポッドを何百個(千以上!?)も等間隔に作ってその中にろうそくを灯すといった幻想的な作品群だ。


だがあまりの寒さに、なにか温かいものはと探していたら需要と供給!
缶コーヒーを売っている売店を発見。
すぐさま「それを下さい」と言うと店のおじさんが、


「これアツイから持つと大変だよ!袋に入れてあげるっかぁ?」


と言ってくれた。
温かい…
でもすぐにも“暖”を取り、感覚の無くなったつま先や手の指の感覚を取り戻したいため


「いいえ結構ですので〜」


と言ってしまった。
せっかくの好意…すみません。
しかしまぁ要するに僕が甘かった…
北国の過酷な環境に生まれ育った私にしては情けない。
格好もスニーカーに素手のままジャケットに手を入れたままなどとは………。
反省。


ゆとりのある時間のながれる地方ならではの人の細かい心が伝わる全体の演出に拍手だ。


会場をゆっくりあるいていると、ふと気になるものがあった(左)。左の写真のカップの中にろうそくが入っていて光を演出しているのだが、そのカップの中に子供の字でこう書いてあった。




「〜〜〜〜をいっぱいかう」




「〜〜〜〜」の部分は裏に隠れて見えなかったのだが正直心が暖まった。
その子は、今どこかでなにかを沢山買う事を目標にしているわけで…
こんなに寒いのに何とも温かい気持ちは久しぶりだ。
不景気不景気と叫ばれて、どこもかしこも2005年までは経済にも冷たい話題ばかりだった気がする。
子供は時代を素直に移す鏡だ。

これら子供たちの豊かさや、豊かさを磨く教育の大切さを忘れず経済やサービス成長を進める側のリーダーとして、また今それに向かい努力されている先輩方と共に活躍できるよう励みたい。


「寒い事はいい事だ」


逆境にいてこそ、順境のありがたみが分かる。
知識としては単純なことなのだろう。
でも理解し知る事はなかなか難しい。
この子供に教わった。


ありがとう。


※掲載写真は携帯にて(DoCoMo SH901iS)
【Pi】